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強化合宿

  • 2022年12月22日

強化合宿と称するものが嫌いです。

 

理由はいくつかあります。

短期間に負荷をかけたところで体力なんて向上する物でもないし、怪我をするのがオチです。

技術的なところでは、もしかしたら数をこなすことで得られるものがあるかもしれません。 

ただ、この場合においても基本的には身体が元気なうちにやるのが望ましいです。

なぜなら「技は力の中にあり」だからです。

言い方を替えると「キネティックが変わらなければキネマティックは変わらない」

この場合で言い換えると「キネティックが変わっちゃうからキネマティックも変わっちゃう」です。

わかりやすくいえば「疲れちゃったらフォームが変わっちゃう」です。

「疲れてから出てくる動きが無駄の無い動きだ」なんて言っちゃってる場合がありますが、ものに力を加える、自分の身体を強く動かすというのが大前提なので、多くの場合は当てはまらないでしょう。

 

そして、合宿となるとOBなんかが現れたりします。

大変尊いこととは思いますが、普段見てない人のちょっとしたアドバイス?が悪い方に進んでしまうことがあります。

 

反対に普段の指導者が見落としていたことに気づけるなんてこともあるから一概に悪とはいえません。

 

体力面での話だと思い出作りですよね?としか思えないものがほとんどです。

その競技に必要な体力要素のためになっているとは到底思えないものばかり見ます。

 

そして、普段の運動量を知らない人にトレーニングを見てもらうなんてことになるとまたろくなことになりません。

これは、ACWR(Acute Chronic  Workload Ratio)と呼ばれるもので、急性の負荷を慢性の負荷で割ったものを言います。

この数値が怪我の発症リスクと関連があるとされています。

 

簡単にいうと急に増やすななんです。

 

僕の合宿嫌いの理由の一つです。

 

なんですが、実は今はこのACWRも否定されてるんです。

 

そうは言っても急に増やしてもいいことなさそうなのはなんとなくわかります。

 

仮に筋力も持久力も必要な競技があったとします。

そこで考えなくてはいけないものの中に干渉作用があります。

これは筋力向上のトレーニングと持久系のトレーニングを組み合わせると筋力向上に負の影響が出るというものです。

簡単にいうとやらん方がマシ的なものです。

その逆は無いとされています。

 

 

干渉作用を減らすには別の日に持久系のトレーニングをするか、同じ日にやるなら6時間以上空けると干渉作用を減らせるとされています。

 

で、強化合宿です。

強化と名付けたからにはあれこれ詰め込みたいのはわからんでもないのですが、詰め込んだら弱化合宿になっちゃったではいけないのです。

どーも指導者の中には「この強化合宿を乗り切ったら夏まで大丈夫」的な考えの方がおられるようです。

というように、体力は短期間で上げることができ、そしてそれを長期間維持できるとお考えの様に見えてしまうのです。

 

実際にはこれの反対で短期間では上がらんしすぐ失われるです。

 

 

これを知っていれば強化合宿と称するもので体力の向上のことは考えなくなると思うのですが。

強化合宿のように身体に非常に強い負荷をかけ怪我のリスクの高い戦略をとるよりは普段からコツコツとやった方が得策でしょう。

 

せっかく時間が取れてるのだから外部から指導者を招いて合宿後の普段の練習の中でできることを学んだ方がよさそうです。

 

某高校の夏の合宿は朝の散歩に始まり入浴後の素振りまで続きました。

食事はごく普通の食事で間食等は特になく練習は続きます。

指導者は合宿後に一皮剥けることを期待していたとは思いますが、

3日目に見学に来た保護者は一皮どころか肉襦袢を脱いだラーメンマンのようなご子息を見て驚いたなんて話があります。

弱化合宿です。

 

てな感じで思い出にはなったようですがどうせなら強くなった方がいいです。

 

上記の某高校は朝の散歩だからまだ可愛い方で、朝食前に結構な負荷で走るところもあります。

そして朝食後にトレーニングと称したしんどいだけのやつ。

 

その後の競技練習はボロボロになること請け合いです。

 

普段からウエイトトレーニングをしているのであればポテンシエーションも活用してより動きやすい状態で練習に臨むこともできます。

 

競技成績をよくしたければ思いつきではなくいろいろ考えた上で進めていきたいものです。



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