前回の続きです、、、
腹腔内圧がなにをしてくれるものかを書くのを忘れてました。
腹腔内圧は脊柱を安定させるために必要なものです。
横隔膜を含めた体幹の筋を同時収縮させることによって高まるものです。
この時呼吸は止まります。
なので腹腔内圧を高めたペダリング(自転車)というのは意味がわからないのです。
前回の続きです、、、
腹横筋の機能についてです。
腹横筋は内腹斜筋外腹斜筋とともに腹腔内圧を上昇させる働きがあります。
腰痛の人は収縮のタイミングがずれちゃってるし、腹腔内圧を高める筋ということでやっぱり大事そうですが、
いわゆる体幹トレーニングで鍛えられるのかという話をします。
体幹トレーニングで真っ先に思い浮かぶのがプランクですが、プランクで腹腔内圧が上昇するのか調べた方がいます。
圧力センサーをつかって計測したのですが全然上がらなかったそうです。
とりあえずプランクで腹腔内圧を高めるというのはやめましょう。
いつの間にか腹筋背筋がもてはやされるようになりました。
とりあえず道具がなくてもできるという点ではとっかかりやすいです。
ただいわゆる腹筋背筋ではここまで猛威を振るいません。
腰をいためたときなど腹筋が大事とのことで腹筋運動(シットアップ)を繰り返した人もいるかと思います。
あまり効果がでなかった人も多いかと。
10数年前から腹横筋という筋肉の名前をよくみるようになりました。
Hodgesさんという方の研究で上肢を動かす際は運動開始前の0.03秒前から、
下肢を動かす際は0.11秒前から腹横筋が収縮していることがわかりました。
それがどうしたの?って感じですがなんと腰痛の人は0.05~0.45秒後!に腹横筋が収縮するそうです。
なにがいかんの?って感じですが、脊柱が安定する前に運動するから腰が痛いんだという話です。
そのあたりから体幹トレーニングが流行ったのではないかと勝手に思っているのですが。
そもそも体幹ってどこ?何?的なところから。
体幹とは胴体のことだから人間の体の頭、首、腕、脚を除いた部分をさす用語です。
だからベンチプレスで大胸筋を鍛えるというのも一応体幹を鍛えていることになります。
ただ一般的に言われているのは腹筋背筋のことをさしている感じです。
あとは抽象的ですが、軸という表現でとらえている人もいるようです。
このあたりを定義しておかないと話がかみ合いません(笑)
ここでは腹筋背筋で話を進めていきます。
体幹トレーニングは日本で猛威を振るっています。
勢いはとどまることを知りません。
近年は優秀なアスリートを見ると、「あいつは体幹がしっかりしている」等の言い方で、
優秀なアスリートの必須条件のようになっています。
パフォーマンスは、一番弱いところで決まるといえるので、体幹も弱いより強い方がいいでしょう。
けど、そんなに強くないといけないの?その鍛え方はあってるの?というのはあります。
自転車競技でも体幹の強さや腹腔内圧が話題になったりします。
体幹を強くしたい!って人がプランクに取り組んだりしますが、腹腔内圧は体幹の伸展方向に働くものなのです。
プランクは伸展しそうなのを屈曲方向の力を出して止めるものなので腹腔内圧は上がりません。
雑誌等でも、腹腔内圧を高めてペダリングをするという話もありますが、呼吸をしているときは腹腔内圧は上がりません。
呼吸を止めると腹腔内圧は上がります。自転車からはおりることになります(笑)
ただ速い選手がその言葉を使って伝えたいものがあるはずなので、
凡人の私はなにが言いたいんだろうと思いを巡らすのです。
体幹は皆さんが興味のあるところなのでちょっとずつ書く予定です。
がっかりするかもしれません(笑)
春休みなので午前中に小中学生がきます。
特に野球少年が多く、どの子も真剣に上手くなりたいと思っています。
何が言いたいかというと、競技の練習を効率よくやるためには準備が必要ということです。
夜更かしはもちろんだめですが、ここでは筋肉の話をします。
唯一地面と接している足がグラグラな子が多いのです。
足元がグラつけば上はもっとグラつくか、もしくは余計な力が入るでしょう。
たとえば、どれだけ助走をつけても踏み出す所がグチャグチャならすべてがパーです。
足のコンディションが悪い人は天然グチャグチャグラウンドです。
足元を見直しましょう!
背筋を鍛えるのにもってこいのデッドリフトという種目があります。
男子なら体重の2倍をまずは目指して頑張りましょう。
女子でも週1回の指導で10回ほどで体重の1.6倍くらい挙がります。
50㎏の人なら80㎏です。
四つ這いになって腕や脚を挙げてる場合じゃありません。
水泳が話題に出るとよく言われるものに
「水泳って全身運動だから身体にいいんでしょ?」というのがあります。
たしかに泳ぐことは四肢を動かすから全身は動いているし、
重力を軽減することができるので関節にはやさしい運動です。
高齢者にも取り組みやすいといえます。
ただ次の点は心得ておくといいです。
クロールで話をすると、上肢の動きは大きいですが、下肢の動きは小さいです。
腹筋背筋など体幹部の筋の活動は水中なので姿勢の保持程度です。
上達するほどにエネルギー消費効率は小さくなります。
効率がいいということは筋を鍛えるには効率が悪いということです。
もちろん水中でのエクササイズには陸上とは違ったメリットがありますが。
歯を食いしばって頑張れ的なアドバイスがされることがありますが。
額面通りに受け取って本当に食いしばっても高いパフォーマンスは発揮されません。
筋は必要なものだけ収縮してあとはリラックスしているのが理想です。
バスケットボールの神様と呼ばれたマイケル・ジョーダンはシュートの時に舌が出ていたそうですが、
これはリラクセーションの現れといわれています。
トレーニングとリカバリーのバランスがとれていることが最適なパフォーマンス発揮に重要ですがしばしば回復が追い付いていないケースがあります。
そこでよく出るのが「あいつはオーバートレーニングだ」的な。
ここでは意味をまとめてみたいと思います。
オーバートレーニングには、機能的オーバーリーチング、非機能的オーバーリーチング、オーバートレーニング症候群になりうる負荷をかけるという意味があります。
心理的な問題等がない場合、2週間程度のリカバリー後にパフォーマンスの向上が起こるのが機能的オーバーリーチング、数か月のリカバリー後にパフォーマンスの向上が起こるのが非機能的オーバーリーチングといわれています。
いずれも十分な休息があれば完全に回復するものがオーバーリーチングです。
その先にあるのがオーバートレーニング症候群です。
オーバートレーニング症候群はそこに様々な要因(生理学的要因、神経内分泌学的要因、心理学的要因など)がからんだものをいいます。