水泳が話題に出るとよく言われるものに
「水泳って全身運動だから身体にいいんでしょ?」というのがあります。
たしかに泳ぐことは四肢を動かすから全身は動いているし、
重力を軽減することができるので関節にはやさしい運動です。
高齢者にも取り組みやすいといえます。
ただ次の点は心得ておくといいです。
クロールで話をすると、上肢の動きは大きいですが、下肢の動きは小さいです。
腹筋背筋など体幹部の筋の活動は水中なので姿勢の保持程度です。
上達するほどにエネルギー消費効率は小さくなります。
効率がいいということは筋を鍛えるには効率が悪いということです。
もちろん水中でのエクササイズには陸上とは違ったメリットがありますが。
SLAP lesion(上方関節唇損傷)はピッチャーによくみられます。
投球時に上腕二頭筋腱に牽引、回旋などの負荷がかかることで
上腕二頭筋腱が関節唇関節唇とともに骨から剥離してしまう病態です。
コッキング期からアクセレレーション期に痛みが出ます。
高校生から大学生に多くみられ、投球時以外では痛みが出ないことがほとんどです。
歯を食いしばって頑張れ的なアドバイスがされることがありますが。
額面通りに受け取って本当に食いしばっても高いパフォーマンスは発揮されません。
筋は必要なものだけ収縮してあとはリラックスしているのが理想です。
バスケットボールの神様と呼ばれたマイケル・ジョーダンはシュートの時に舌が出ていたそうですが、
これはリラクセーションの現れといわれています。
腰椎分離症になる人に見られるものに、腰椎だけでの過度な伸展運動や、股関節を使わない回旋運動があります。
身体を反らすときは、腰椎だけで伸展するのではなく股関節の伸展と胸椎の伸展を上手く組み合わせると負担が少なくなります。
回旋運動は股関節の内外旋を上手く組み合わせます。
隣接する関節の可動性を十分に確保することが大切です。
舟状骨骨折というものがあります。
転んで手をついて受傷することが多いです。
強い症状が出ないこともあり、捻挫と思って治療が遅れることもあります。
骨折部位によって骨癒合の期間に違いがあり、近位部では偽関節になりやすいといわれています。
転位がない場合でも近位部骨折だと12~23週間必要といわれています。
野球肘。
11歳の子は肘内側の投球障害有病率が48.7%、
12歳では40.9%にもなるそうです。
肘内側の障害は発症から1週間以内に治療を開始すると100%痛みがなくなるといわれています。
逆をいうと1週間すぎてからでは治りが遅くなるといえます。
違和感を感じたらすぐに対処しましょう。
トレーニングとリカバリーのバランスがとれていることが最適なパフォーマンス発揮に重要ですがしばしば回復が追い付いていないケースがあります。
そこでよく出るのが「あいつはオーバートレーニングだ」的な。
ここでは意味をまとめてみたいと思います。
オーバートレーニングには、機能的オーバーリーチング、非機能的オーバーリーチング、オーバートレーニング症候群になりうる負荷をかけるという意味があります。
心理的な問題等がない場合、2週間程度のリカバリー後にパフォーマンスの向上が起こるのが機能的オーバーリーチング、数か月のリカバリー後にパフォーマンスの向上が起こるのが非機能的オーバーリーチングといわれています。
いずれも十分な休息があれば完全に回復するものがオーバーリーチングです。
その先にあるのがオーバートレーニング症候群です。
オーバートレーニング症候群はそこに様々な要因(生理学的要因、神経内分泌学的要因、心理学的要因など)がからんだものをいいます。
爆発的パワー向上のためのトレーニングにプッシュプレス、ジャーク系があります。
これはジャンプスクワットと同程度のパワー発揮ができるのに着地の衝撃が少ないというなんともありがたい種目です。
それ以外にも上肢の筋力、肩周りのスタビリティ、肩周りの柔軟性、体幹のスタビリティの向上が期待できます。
突き指は、指先に大きな力が加わって起こる外傷のことをいいます。
この中にはマレットフィンガー、掌側板損傷、側副靭帯損傷、ジャージーフィンガー、脱臼、骨折が含まれます。
その場で引っ張って良くなるの背側脱臼くらいで、他のものに対しては症状を悪化させます。
靭帯、腱、掌側板、小骨片を含む骨折を伴う症例には超音波画像観察が有用です。
テニスのバックハンドで発生することが多いとされているのでテニス肘とも呼ばれます。
その他にも順手でバーベルを握ると痛い、タオルを絞ると痛いなどの訴えで来院されることも多いです。
共通するのは手関節の背屈動作で痛みがでるということです。
これは短撓側手根伸筋起始部(上腕骨外側上顆)に炎症、微細断裂、変性が生じていると考えられています。