肩甲骨周りの筋肉がやわらかいと、肋骨と肩甲骨の間に指が入ります。
コツをつかむと四つ這いをしたときに肩甲骨を立てることも出来ます。
すごい人だと表を焼いて、裏を焼いて、横を焼くようなステーキみたいな感じになります。
肩甲骨から起始する筋には、
僧帽筋、大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋、小胸筋、肩甲挙筋、肩甲下筋、烏口腕筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、広背筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、肩甲舌骨筋があります。
手のひらくらいの小さな骨にこれだけの筋が付きます。
過密ダイヤの駅みたいです。
最近は肩甲骨の立て方を聞かれることが多くなりました。
立甲とも呼ばれています。
肩甲骨を立てるためには、少なくとも肩甲骨に付着する筋はやわらかい方が良さそうです。
肩甲骨内側には大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋があります。
内上方には肩甲挙筋。
上方には僧帽筋中部線維があります。
外側には大円筋、小円筋などがあります。
下方には広背筋があります。
他にもありますが、肩甲骨と胸郭に付着する筋は大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋です。
その他の筋は脊柱、鎖骨、上腕骨に付着があります。
絶好調に肩甲骨を動かそうと思うと、肩甲骨と胸郭に付着する筋だけでなく、胸郭以外に付着する筋のやわらかさも必要になってきます。
肩甲骨は大砲を打つ時の土台に例えられることがあります。
大砲の先が向いた方と土台の向きが一致しないと飛んでいく玉はしょぼそうです。
そして筒と土台の連結部には負担がかかりそうです。
その他にはボートの上から大砲を撃つ時に例えられることもあります。
土台が不安定だと玉は飛ばないという意味です。
人間の身体でも同じようなことが起こります。
肩甲骨がオートマチックに上腕骨の動きを追従することによって強い動きを可能にし、連結部(肩甲上腕関節)への負担を減らすことができるといえます。
肩の痛みがあるとか、思うように力が伝わらない感じがする方は一度肩甲骨の動きを見直されてはいかがでしょうか。
こんにちは。
一宮市の中島通接骨院です。
昨年の秋から取り扱いを始めたオーダーメイドインソールですが、
おかげさまで好評です!!
自転車競技や野球、サッカー、陸上、スキーなど様々な競技をやっている方が当院でオーダーメイドインソールを作っています。
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令和元年12月22日に東海野球障害研究会に参加しました。
どのご講演も面白いものばかりでしたが、特に印象に残ったのがドミニカの野球肘検診についてのご講演でした。
ドミニカといえば多くのメジャーリーガーを輩出している国ですが、人口は約1000万人と大きな国ではありません。
なぜ多くのメジャーリーガーを輩出できるのか、ご講演を聞く中で大いに納得できることが多くありました。
野球肘と言えば野球をやってる人の多くが経験します。特に悲しいものが外側型の野球肘です。
ドミニカはなんと0だと。ちなみに指導者の喫煙も0だったそうです。
野球肘の癌ともいわれる外側型の野球肘ですが、副流煙との関係が以前から言われています。
なぜ癌といわれるかとかというと、初めは痛みがなく進行し気付いた時にはかなりやばい状態という意味で使われています。
たばこの煙で血流が悪くなり軟骨の成長障害がおこると言われています。
指導者の方におかれましてはぜひともやめて頂きたいことの一つです。
他には肩周りの柔軟性においては日本の球児の方が柔らかかったと。
柔軟性は関係ないという話でもなくて、やっぱり柔軟性は障害予防やパフォーマンスの観点からみてもあった方がいいのですが、何よりも圧倒的に投球数が日本の野球少年に比べて少なかったそうです。
投げなければ障害を防げるのであれば誰でもできます。
是非投球数を減らして欲しいものです。
そんなこと言ったら上手にならないじゃんという声も聞こえてきそうですが、少ない投球数でも上手くなっているのがドミニカの球児です。
工夫をして下さい。
面白いことにドミニカの少年はピッチャーをやりたがらないそうです。
肩肘を傷めると将来稼げないからです。
そうなんです。
あなた方が抱えている野球少年は将来プロになるかもしれないのです。
恐ろしくてガイドラインから外れたことなどできるはずもないと思うのですが。
使用しているボールは大人のボールも混じっているそうです。
おさがりを使用しているということです。
このことからも軟式、硬式、ボールの重さというよりはやっぱり投球数が関係してるというように理解しました。
今日からでもできます。
練習しすぎはろくな結果になりません。
今日は女子プロ野球、愛知ディオーネの久保夏葵選手と松谷比菜乃選手が来院されました。
明日の試合頑張ってください💪
足関節捻挫は、様々なスポーツ外傷のなかでも最も発生頻度が高く、再発しやすい外傷です。
その中でも多くみられるものに足関節内反捻挫があります。
この内返捻挫が起こりやすい原因として、
1,足関節の構造
2,荷重関節であり地面に近いことからその影響を受けやすい
3,足が地面に固定されたときに足関節より上位の動きの影響をうけやすい(ふり返り時など)、両足立ちから片足立ちになる際に荷重が外側へと偏位するために足部回外が起こりやすい肢位になる
4,足部が地面に固定されたまま重心が外方へ移動する際に内返しが強制される
などがあります。
捻挫とは生理的な可動範囲を超える外力が加わることで関節の構成体(関節包、靭帯、皮下組織)が損傷したものをいい、外力が消失した後に関節の解剖学的な位置関係が元の状態に戻ったものをいいます。骨折や腱断裂は含みません。
ちなみに脱臼は位置関係が逸脱したままのものをいいます。
捻挫への施術をする際は、圧痛点による損傷部位を確認する必要があります。またエコーがあれば撮ると良いでしょう。
内反捻挫で損傷する部位は、その受傷機転の違いから、前距腓靭帯、踵腓靭帯、二分靭帯の損傷があります。
似たような外力の加わり方で骨折をしていることもあるので注意が必要です。
よくある受傷機転として、方向転換時やジャンプからの着地時に、足関節が内返しあるいは底屈を強制されて生じる外側靭帯損傷があります。バレーボールやバスケットボールなどで多く見られます。
痛みはあるもののプレイ続行が可能な軽傷例から、痛みが強く歩行も困難な重症例まで様々です。
足関節の内返しが強制され、外側靭帯の部位に圧痛があり、内反ストレスをかけたとき外側を痛がれば外側靭帯損傷の可能性が高いです。靭帯損傷の重症度は、
Ⅰ度は靭帯が一度伸張された状態、
Ⅱ度は部分断裂、
Ⅲ度は完全断裂、
に分類されます。臨床的には、外側靭帯に圧痛があるものの、前方不安定性がなく、腫れも軽度な場合はⅠ度、痛みが強く歩行も困難で、明らかに前方引き出しテストが陽性であればⅢ度損傷と評価しますが、アスリートでは、外側靭帯損傷を繰り返していて、通常時でも前方引き出しテストが陽性の場合も多く見受けられます。
また靭帯の単独損傷か、骨折を合併しているかの判断は難しく、受傷後スポーツの継続が困難な場合はは、X線撮影を行い、足関節周囲の骨折の有無も確認するとよいでしょう。
初期治療はRICE処置を行うのが基本とされています。最近ではPOLICEやPRICEなどの方法も広まりつつあります。患部の安静、冷却、圧迫、挙上をします。冷却は24~48時間行うことが望ましいとされています。
靭帯が損傷を受けると受傷前と同じ強度を持つことはありません。そのため靭帯が損傷すると、不安定性のため容易に足関節捻挫を繰り返すことになります。これがいわゆる捻挫が癖になった状態です。このような状態でスポーツ活動を続けると、その不安定性から本来持っているパフォーマンスを十分に発揮できません。車でいうとふにゃふにゃのサスペンションの様な感じになってしまうのです。
捻挫を甘く見てはいけません。
運動療法や物理療法によって靭帯が元の強さになることはありません。足関節の動的安定性を出すための運動療法が必要になります。足関節の外返しに作用する長腓骨筋の筋力強化が重要です。
足関節捻挫を繰り返す症例では、立方骨-第5中足骨間の不安定性を有していることも多くそのような症例では、短腓骨筋や小趾外転筋の筋力強化も併せて行うとよいでしょう。
外側広筋は、大腿骨の後面の粗線外唇から起始し、膝蓋骨、膝蓋腱を介して脛骨粗面に停止します。
大腿骨の外側部を広く覆う大きな筋で、皆さんがハムストリングと思っている大腿後面の筋が外側広筋だったりします。
硬さの見方は、うつぶせに寝て膝同士をくっつけて膝を曲げて踵をお尻につけるテストをした際に、自然に膝が開いてきてしまう人や、膝を閉じたままだと踵がお尻につかないけど膝を開くと付く人は外側広筋の硬さが疑われます。
外側広筋が硬いと何がいけないかというと、膝の最終伸展で働く内側広筋という筋があるのですが、外側広筋が硬いと膝蓋骨(お皿)を外側に引っ張ってしまって内側広筋が頑張って働いても膝を伸ばす効率が悪くなってしまうのす。
膝が伸びるときの力が弱いということは、歩く時の不安定性にもつながるし、当然スポーツのパフォーマンスも落とします。
手順としては、内側広筋の筋機能のチェック⇔外側広筋の柔軟性のチェック→ストレッチング等→トレーニングとするのが良いでしょう。
トレーニング前のストレッチングは筋力が落ちちゃうんじゃないの?というのもありますが、力が伝わりにくい状態でトレーニングするのも問題なので、僕は整えてからのトレーニングをお勧めしています。
外側広筋は大腿筋膜張筋、大殿筋とも筋連結があるので併せてストレッチング等をするとよい結果がえられることが多いです。
高齢者が膝の痛いときに多いものに変形性膝関節症があります。
中年以降の年齢層ではX線検査をすれば25~40%の人に変形があるといわれています。
変形性膝関節症の主な病態は関節軟骨の摩耗や変性ですが、一次性のもの(外傷や感染などの既往がない)が大部分を占めます。
一次性の原因にはO脚などの変形に伴う関節に加わる外力の増加や、肥満、筋力低下などがあげられます。
繰り返しの外力により徐々に悪くなるものといえます。
膝関節の内側が痛い人の歩行の特徴に、立脚相で膝が外側に動揺して内反が強くなるlateral thrustがあります。
また、多くの患者に股関節の内旋制限があり、膝関節がその影響を受けて悪くなっているものもあります。
また下腿は外旋位を取るものが多くみられます。
ただし、すべてがそうとは限らないので、治療のアプローチも一人ひとり違ったものになります。
実は変形は治りません。
じゃあ一生痛いの?ってわけでもなくて変形があるせいで正常な関節運動にはなりにくいかもしれませんが、正常な関節運動に近づければ痛くなくなることもあるのでそれを目指します。
アプローチとしてですが膝だけを見ててはなかなか良くなりません。
上下の関節(足関節、股関節)、上半身など全身を見る必要があります。
歩行時に最初に地面に接地するのは踵です。
入りが不味ければその後に影響が出ます。
なのでまずは足。
その足を運んでくるのは反対側の足(脚)なのでそちらもみる必要があります。
ただ、なにせ荷重がかかる部位だし意識してどうこうなるものではないのでインソールを使うのが良いでしょう。
次に膝ですが、膝が伸びない、下腿が回旋しているなどのマルアライメントを修正することも当然必要です。
膝関節そのものへの局所的なアプローチもしますが、膝関節をまたぐ筋はほとんどが骨盤に起始があります。
なので骨盤周囲の筋の機能へのアプローチも必要です。
次に上半身ですが、なんで上半身?って感じですが歩行は下半身がロコモーター、上半身はパッセンジャーに例えられます。
飛行機や車でお客さんが偏って乗ってたら車体には負担がかかりますよね的な話です。
上半身が前かがみ、のけ反っている、左右どちらかに傾いているなども下半身への負担を増やすのでそれぞれが良くなるようにします。
結局は全身みましょうということです。
野球肘には様々な種類があり、大きく分けて内側型、外側型、後方型があります。
また大人と子供では負担のかかり方は同じでも組織の強さが違うため、野球肘といっても分けて考える必要があります。
大人と子供で障害が発生する部分が変わるのは、大人は骨が強いので靭帯に負担がかかり、子供は靭帯などの軟部組織を傷めることは少なく、骨端核や骨端線に負担をかけます。
治療法もそれぞれ違いますが、共通していえるのは負担がかかる動作を改善していかないとまた同じ部位を傷めるということです。
安静にしていれば患部は回復するものでも、投げたらまた同じではいけないので、負担をかけた要因となっているものにアプローチします。
そうではなく手術が必要なものもあります。関節鏡などの侵襲の少ない手術もあります。まずはどのタイプの野球肘かを評価して、適切な治療を選択することが大事です。
肘関節には上腕骨、橈骨、尺骨の3つの骨があり、内側と外側にこれらをつなぐ靭帯があります。
内側型の野球肘は、ボールを投げるときの牽引力により骨や靭帯が引っ張られて裂離骨折や靭帯損傷などが起こるものです。肘が痛いといって来院されるなかで最も多いものです。遠投などの一回の強い外力で発生することがあります。
外側型の野球肘では圧迫により軟骨や骨が摩耗します。これは先に内側の野球肘で肘の安定性が損なわれたせいで起こるものもありますす。
早期に発見できれば問題なく治るのですが、レントゲンに写らないこともあるので注意が必要です。超音波画像観察装置だと早期の発見ができます。外側型の野球肘は痛みがなく進行していくものなので早期発見早期治療が重要です。
後方では骨同士の衝突で疲労骨折が起こったり、骨や軟骨が欠けたり骨棘ができたりします。
引っ張られる部分の腱の炎症が起きることもあります。
肘を伸ばす動作を繰り返すことで骨同士が衝突して骨のかけら(関節ネズミ)ができたりすることで曲げ伸ばしが徐々にできなくなってしまうものもあります。
速い球を投げたり、遠投などでは一回の投球での肘にかかる負担が大きいです。ボールを投げるときの肘への負担はレイトコッキング期だとボール150個分の負担がかかるそうです。カゴ満杯よりも大きい負荷が手に乗っかっているのです。当然、球数が多くなると負担が増えます。肘の負担は一回の負荷×投球数なので、一回の負荷が大きければ一発で傷めることもありますし、弱い力で投げてても球数が多ければいずれ傷めます。
僕は球数制限賛成派です。
狭義の肩関節は肩甲骨と上腕骨で構成される関節のことをいいます。
広義の肩関節は肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節、第二肩関節、肩甲胸郭関節のことをいいます。
今回は肩甲上腕関節の話です。みんなが思い浮かべる肩関節です。
こんなとこがずれるとかあるの?という感じですが、ほんのわずかな位置異常が投球のパフォーマンスを落とすので注意が必要です。
肩後方関節包が硬くなると骨頭の異常運動が起こります。野球をやっている人に多くみられます。
肩後方関節包が硬くなると、骨頭は肩外旋時に後上方にずれ、内旋時には前方にずれます。
特に肩外旋時の後上方へのずれは、レイトコッキング期に肩峰下でのインピンジメントを引き起こします。
これは、正常な肩外旋運動に必要な大結節が肩峰下をくぐる動きが、骨頭の位置がずれているためにスムーズにいかなくなるのです。
このときスムーズにくぐらないというだけでもすでにパフォーマンスを落としています。
肩外旋制限は、投球時の肘の内側への負担も増大させるため注意が必要です。
肩後方関節包が硬くなる要因は、フォロースルー時にIGHL(下関節上腕靭帯)後部線維に強い遠心性の力が加わり微細損傷をおこすためと考えられています。
三角筋後部線維、小円筋はフォロースルー時に遠心性に強く働き、腕が内旋して吹っ飛んで行くのにブレーキをかける働きをしています。
また、非投球側の股関節の内旋可動域に制限があるとフォロースルー時に肩関節の水平屈曲が強くなり、さらに肩関節後方への負担が大きくなってしまいます。
負担がかかり続けた組織はやがて硬くなり、骨頭の位置異常を引きおこします。
もう一つの骨頭の異常運動として、骨頭の前方へのずれがあります。これは肩の前方が緩いと起こります。肩外転外旋時には骨頭が前方にずれないようにIGHL前部線維がその役割をするのですが、骨頭が前方にずれたまま投げていると、外転・外旋でIGHLが強く伸ばされて、緩くなったままもとに戻らなくなります。
他には肩甲下筋が働いています。
肩前方の緩さが増大している選手の投球時には、アクセレレーション期での肩甲下筋の活動が低下しているといわれています。このような肩前方の緩さと肩甲下筋の機能低下は、骨頭の前方へのずれを大きくし、MER(肩最大外旋)時にインターナルインピンジメントを引き起こす可能性があります。
肩前方の緩さの要因には、投球時のhyper Angulation(肩水平外転の増大)があります。Hyper Angulationは肩全面の伸張ストレスが大きくなります。Hyper Angulationの原因として肩甲骨の上方回旋、内転可動域の不足等があります。上方回旋が少ないということは肘下がりにつながり、肘への負担を増やすことにもなってしまいます。
というわけで、肩関節(肩甲上腕関節)そのものへのアプローチも大切だし、肩甲骨(肩甲胸郭関節)へのアプローチも大切ということがいえます。
QLSとは、肩関節後部にあり、この部分は大円筋の上縁、上腕三頭筋の外側縁、肩甲骨、上腕骨によって形成される空間を指し、その空間を腋窩神経(えきかしんけい)、後上腕回旋動脈などが通過しています。QLSS(quadrilateral space syndorome)とは、この部分で生じる絞扼性神経障害で、障害される神経は腋窩神経です。
症状は、肩関節後面から上腕外側に広がる放散痛、QLSの圧痛、水平内転強制による上腕外側への放散痛、上腕外側(腋窩神経の固有知覚領域)の知覚障害、肩関節外転筋力の低下、三角筋の萎縮などがあります。
腋窩神経は、腕神経叢の後神経束から分岐した後、腋窩部を背側に向かい、外側腋窩隙(QLS)を通過し、運動枝と知覚枝に分岐します。運動枝は三角筋と小円筋、知覚枝は上外側上腕皮神経として三角筋の表層にて上腕近位外側面にいきます。
腋窩神経が通過するQLSは、肩関節背側の三角筋の表層で、大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭と上腕骨の間に生じた外側部分に存在する四角形の間隙です。
外側腋窩隙(QLS)は、三辺が筋によって構成されているため、肩関節肢位や筋の緊張によってもスペースが変わり、腋窩神経を絞扼します。
腋窩神経が絞扼されると、肩関節後面と上腕近位外側の放散痛、上外側上腕皮神経の支配領域の知覚障害、肩関節外転筋力の低下、三角筋の萎縮、QLSの圧痛を生じます。
投球動作では、後期コッキング期では絞扼、フォロースルー期では牽引されます。繰り返される投球による肩周囲筋の肥大によってQLSの狭窄はさらに強くなり、筋へのストレスと炎症により硬くなりQLSSを引き起こすと考えられます。投球動作では肩関節外転位で内外旋を繰り返すことでQLSを通過する腋窩神経を絞扼して、QLSSを引き起こすことがあります。
アクセレレーションからボールリリースの直後までの期間に大円筋と上腕三頭筋が同時に収縮します。つまりボールをリリースする直前に肩は急激に外旋位から内旋位へと変化するため、肩内旋筋である大円筋が収縮します。またこの時、肘は伸展位をとるため肘伸筋である上腕三頭筋も同時に収縮します。またこれに拮抗して小円筋などの肩外旋筋群にも負荷がかかるので後方のタイトネスが高まると考えられます。
腋窩神経は上肢下垂位で一番弛緩して、肩外転・外旋位でもっとも緊張が高くなります。
肩外転・外旋位で緊張と圧迫が高まった腋窩神経に、大円筋、上腕三頭筋が収縮するとさらにQLSが狭小化して圧迫が強まります。
肩甲上腕関節後方が拘縮した状態で肩関節の水平屈曲をすると、肩甲上腕関節関節後方が伸びないため肩甲骨を上方回旋方向に変位させます。この拘縮はQLSが狭小化していることを示唆しています。肩甲上腕関節の拘縮に対し、肩甲骨を保持することにより上腕骨と肩甲骨に付着する筋に適切なストレッチングをすることが、QLSSの治療の一つと考えられます。水平屈曲の形だけとっても伸ばしたいところが伸びてないなんてことが起こるのです。