ブログ
交通事故に遭って通院 を始める際、
保険会社から「一括請求でお願いします」と言われることがあります。
意味も分からず、ほとんどの方がこの一括請求を選択されているかと思います。
一般的には「任意一括請求」といいますが、過失割合が高い方の保険会社が、「事故に係る処理を全て引き受ける」という意味で、治療費や慰謝料など被害者に立て替え払いをしてくれるというとても便利な制度です。
このことから加害者側の保険会社が、事故によって生じた治療費や慰謝料をまるで支払っているかのように思えます。
しかし、実際には交通事故による補償は、120万円を上限として自賠責保険により国から支払われます。
(自賠責保険は強制保険と言われ、車検を受ける時に必ず加入することになっています。)
つまり、加害者側の保険会社が一時的に被害者側に立て替え払いをし、その後かかった費用を自賠責保険(国)に請求するという仕組みなのです。
「120万円以内で済めば加害者側の保険会社は自分の任意保険からは1円も払わなくていい」ということになります。
治療費や慰謝料が自賠責の120万円で収まるのならば問題はありません。
しかし自由診療の場合は健康保険は使いません。診療報酬単価は高くなりますが、その分治療内容が手厚く丁寧になります。
病院での検査代や治療費をあわせ120万円を超えそうになるのは3~4ヶ月を過ぎる頃からです。
この頃から保険会社は通院の終了を勧めてきたり、示談交渉を提案してくることもあります。
任意一括請求の場合、被害者は特に手続きをする必要がないのでとても楽です。
しかし、保険会社はケガの治り具合に関わらず、示談金を自賠責保険からの支払額のみと提示してくることがよくあります。
また自賠責保険から支払われた保険金は示談が成立しないと被害者へ支払われません。
つまり任意一括請求を選択すると、保険会社に主導権を握られたままで示談交渉することになります。
当院では、このような事情も踏まえて、
治療はもちろんのこと保険会社と何度も話し合いをし患者様が不利益を被ることないよう全力でサポートしています。